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要約書から分かること/分からないこと

2013年12月24日


前回、要約書作成の際、【解決手段】欄には、【特許請求の範囲】の【請求項1】がコピペされるのが実務上一般的である、と書きました。
これは何を意味するのでしょうか。

【特許請求の範囲】の【請求項1】(「第一クレーム」と呼ばれます)は、【特許請求の範囲】の階層構造(「クレームツリー」と呼ばれます)上、最も広い技術範囲を射程(scope)とする最上位概念クレームです。

では、この第一クレームに出願人が最も権利化したい発明(の技術範囲)が記載されるかというと、実はそうではありません。

どの出願人/特許事務所も採用している基本的な出願戦術として、第一クレームは出願人が真に権利化したい技術範囲よりもやや広い“チャレンジ・クレーム”とし、“落としどころ”として真に(あるいは最低限)権利化したい技術範囲は第二クレームか第三クレームに記載する、という作戦をほぼすべての出願で採用しています。

なぜかというと、審査段階において、特許請求の範囲を狭める補正をすると、審査官との交渉において出願人側が譲歩の姿勢を示したことになり、審査が通りやすくなるからです。
後から請求範囲を狭めても、狭めたところが実は真に欲しかった権利範囲射程となるように、予め余裕を持たせているわけです。

したがって、要約書の話に戻ると、なるべく時間を掛けずに作成したいという事情(前回参照)から請求項1をコピペして作成されることが多い要約書の【解決手段】を読んでも、そこに書かれているのは出願人が“権利化できたらラッキー”と思っているチャレンジ・クレームに相当する技術範囲であって、“この出願で最低限権利として押さえたい技術範囲(=落としどころ)”ではない、という可能性が高いのです。

要約書を読む際には、要約書からは出願人が当該出願によって最も広い場合でどのような技術範囲について権利を得てしまう可能性があるのかが推察できるものの、出願人が当該出願によって最低限権利として押さえたいと思っている“落としどころ”の射程は要約書“だけ”からは分からない可能性が高い、ということを念頭に入れておきましょう。

(佐藤)

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